日本における欧州車文化を守り、広めていきたい。
中古車ディーラー “オート・ブルー” を営む父の背中を見ながら育った私は、幼少期から欧州ブランドの外車が好きでした。
父の背中をみて育ったものの、自分自身がディーラー業を継ぐ気持ちはなく、漠然と ”いつか自分も経営者として経営をしたい” と 考えるようになりました。
学生時代を過ごす中で、 “経営に必須な税務会計知識を得ながら様々な企業を見ることができる” という理由で、 私は卒業と同時に税理士の道へ進みました。
そんな私が、ディーラーになるのを決意する大きな出来事がおこりました。父の死です。
父の死後 残務処理を進めていると、父が多くのお客様に対し、単に車の売買を行うだけではなく「車を通じた人とのつながりを感じさせる仕事」をしていたのだと知ることが出来たのです。
こうした父の無形遺産を 守っていきたいという気持ちが強く、私の中に湧き起こりました。またそのとき同時に、芸術作品のような欧州ブランドの車に魅了された幼少時代の記憶が蘇りました。
重なった 2 つの感情は私にこのような想いを駆り立てました。
“いつか自分が死を迎えるタイミングで、自分と父が愛する車のカルチャーが死んでいたら、きっと後悔するのではないだろうか?”
こうして、オート・ブルーはまた走り出しました。
私と同じ志を持った仲間も参加し、“オート・ブルー・ユニオン” に名前を変えて。
再創業を決めると、ありがたいことに周囲から「今まで通り車は稲川さんにお願いしたい」とのお声をいただきました。
今日、車は単なる移動手段として、家電的に消費される感じが時代と共に強まっているように感じています。
私にとって、車とその文化は単なる移動手段の機械ではなく、生活を豊かにする活きた芸術品です。
電気自動車や様々な移動のカタチが次々とあらわれ、時代の流れに抗うことができず、退屈な車に世界が支配されたり、中古車自体に乗る事が出来なくなる日がきてしまったら。
もうオートブルーに存在意義はないのかもしれません。
しかし、だからこそ、Auto Blue Union は必要だと考えています。
より多くのお客様に車を提供する事で、車とそのカルチャーを保全しながら同時に布教することができると考えています。
私たち Auto Blue Union は、そのために全力を尽くします。
亡き父の想いを受け継ぎ、“オート・ブルー・ユニオン” が、今まで関わってくれたお客様、そしてこれから出会うお客様達の、人生の 1 ページに残るような車に携わることができれば何よりです 。